トップメッセージ
レシップホールディングス代表取締役社長 杉本眞
既存事業での売上・利益の追求に取り組むとともに育成分野への成長投資により長期ビジョン実現を目指します

株主の皆様には平素より格別のご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

2023年3月期の経営環境については、ウィズコロナに向けた経済活動の正常化に向けた兆しがみられたものの、資源・物価高騰など厳しい状況は続き、売上高・利益ともに当初計画に及ばず厳しい結果となりました。

輸送機器事業については、カラーLED式行先表示器や路線バス運行支援ユニット「LIVU」の売上が増加したものの、前年にあった新500円硬貨発行に係る運賃箱の改造需要が剥落したほか、業界全体の設備投資の抑制傾向が続き、減収となりました。損益面については、バス市場の減収により、損失計上となりました。産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)については、物流市場活況に伴いバッテリー式フォークリフト用充電器の売上が増加し増収となりました。損益面については、原材料価格の値上がりを踏まえた価格改定交渉の結果が表れ、前期実績に対し損失幅が縮小しました。

2024年3月期の連結業績予想については、増収増益を見込んでいます。輸送機器事業では、2024年上期に予定されている新紙幣発行に伴う運賃収受システムの更新需要を見込んでいます。全国規模でシステム更新の需要が発生することが予想されるため、需要に対応できる開発・生産体制の整備を進めるとともに、この機会に更なるシェアアップを目指した営業活動に注力します。北米においては、鉄道車両用灯具、運賃収受システムの納入を予定しています。産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)では、物流市場の拡大を背景に、バッテリー式フォークリフト用充電器の底堅い需要を見込んでいます。

中期経営計画「CN2023」は、長期ビジョン「VISION2030」の実現に向けたアクションプランとして10年後、確実に「モノ+コトへの事業構造の変革」を成し遂げるための確かな投資期間として位置づけています。次期は「CN2023」の最終年度であり、新紙幣の発行に伴う需要という、当社の最も強みとする運賃収受システムでの売上増加が期待できる要因があります。このような経営環境の中で、既存事業で確実な売上・収益を獲得し、獲得した収益を長期ビジョンで今後の育成分野と位置付けた①モノ+コトビジネス、②海外ビジネス、③エネルギーマネジメントシステムビジネスに対して継続的で積極的な投資を行うことで、当社の持続的な成長に還元します。

2023年 6月
代表取締役社長
杉本眞